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かたちのなまえ

かたちのなまえ

かたちをあらわす、美しいなまえ
2019年8月29日発売
A5判型 192ページ
定価:2,500円+税
ISBN:978-4-7683-1221-6


かたちをあらわす、美しいなまえ

 まる、さんかく、しかく……こんな風にかたちをあらわす言葉がなかったら、それを説明するのにずいぶんと骨を折ることになるでしょう。野瀬奈津子さんの体験から生まれた新たな気づきに富んだ文章と、想像をかきたてるような静謐で美しい濱愛子さんの絵で、日本美術や工芸品につけられた「かたちのなまえ」をご紹介します。

 西洋美術と違い、一点ものの独自性よりもかたちの美しさの継承を最上としてきた日本美術。茶道具においては特にその傾向が顕著で、“利休形の棗”や“黒楽茶碗”など、現在まで定番としてつくり継がれてきたものがたくさんあります。これが「見立て(あるものをまったく別のつかい方をすることで新しい価値を生み出すこと)」や「写し(基準となる作品や実物をなぞらえ、形状や文様・図柄を模倣した作品をつくること)」、「本歌どり(過去の美術作品から表現のモチーフを引用する手法)」など、日本独特の文化を生み、たくさんのかたちのなまえが生まれた経緯につながります。

 複雑な立体を、言葉ひとつで頭のなかに浮かびあがらせてくれると同時に、「季節」や「物語」、「動作」など日本らしい自然や文化をはらんだ想像性にあふれる美しい「かたちのなまえ」たち……。そう呼ばれるにいたった背景を紐解いてみることで、きっと新たな視点や物語が広がるヒントになるはずです。



<本書で紹介する“かたちのなまえ”一覧>

【1:たべもの】阿古陀/芋頭/柿/蕪/筍/粽/文琳/蜜柑・柑子/桃/割山椒
【2:草木】訶梨勒/菊/衝羽根/棗/瓢/木瓜/輪花
【3:人・いきもの】蹲/姥口/亀甲/尻膨/鶴首/胴〆/蛤
【4:道具】糸巻/餌畚/桶川/鬼桶/笠・傘/掛絡/伽藍石/砧/経筒/金輪寺/沓形/砂金袋/栄螺籠/算木/塩笥/喰籠/旅枕/俵/手桶/鉄鉢/馬上杯/鉢/舟形/振振/分銅/扁壺/宝珠/雪洞/夜学/矢筈/立鼓/擂座/呂宋壷
【5:造形】肩衝/辻堂/捻/八角/面取/四方
【6:情景・物語】寿老人/洲浜/高砂手/苫屋/三日月/結踏/山道
【付録:くに・ゆらい】安南/唐物/蒟醤/紅毛/高麗/宋胡録/南蛮/毛織/呂宋
*そのほか、本書のつかい方、さくいん(Index)、キーワード解説も。



<作者プロフィール>

野瀬奈津子(Nose Natsuko)

編集者・ライター。旅と茶道をテーマにした書籍や雑誌の企画・編集・執筆を手がける。実家の茶道具屋の仕入・企画担当としても修業中。近著に『タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる』(玄光社)、『持ち帰りたいインド』(誠文堂新光社)がある(いずれも共著)。

濱 愛子(Hama Aiko)
イラストレーター・グラフィックデザイナー。桑沢デザイン研究所卒業。紙版画を用いて、情感と力強さのある作品づくりを目指し、本、雑誌、広告に取り組んでいる。TIS公募灘本唯人氏「わたしの一枚」、HBファイルコンペ永井裕明賞、ADC入選ほか。TIS会員。







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