イメージ:ザ・チョイス特別編「THE CHOICE × ROOTOTE」デザイン説明会

ザ・チョイス特別編「THE CHOICE × ROOTOTE」デザイン説明会

本誌の誌上コンペ「The Choice」とトートバッグ専門ブランド「ROOTOTE(ルートート)」とのコラボレーションで実施する通称「特別チョイス」。 作品を選らんで終わりではなく、製品として世に出すことを目的として、実際の「仕事」に即してさらなる制作を行う、仕事体験型コンペティションです。

審査から1週間後の1月30日、入選者10名を集めて「デザイン説明会」が開催されました。作家一人ひとりに対し、審査員のアートディレクター・セキユリヲさんがトートバッグにするためのディレクションを行い、新たな制作の発注を行います。

もう一人の審査員で、今回のコンペの発案者でもあるイラストレーターの福井真一さんも同席し、そちらからの意見やコメントも反映しつつ、進めていきました。

ROOTOTE」からは神谷富士雄常務と広報の郡山輝子さんが出席、絵柄をトートバッグに印刷する際のテクニカルな部分での検証やアドバイスをいただきました。

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セキさんが名前を呼んだ順番に、選んだ作品のどんなところを活かしたいか、どんな風にトートバッグに定着させるのか説明がされ、福井さんと確認しながら次に描いて欲しい絵柄についてのお話があります。

作家側も質問したり自分なりの考えを述べたりして、熱心なやりとりが続きます。

他の作家もその話を真剣な様子で聞いています。自分とは異なるタイプの作家がどのようなディレクションを受けるのかを見聞き出来るのも、とても貴重な機会です。

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「トートバッグを作る」と一口に言っても、実は「ROOTOTE」からラインナップされているトートバッグにはTPOやフィーリングに合わせて選べるようさまざまな大きさや形があります。

これらの製品の中から、それぞれの作品についてどのタイプが合うのかを判断し選んでいくことも重要なポイントになります。

また、今回は非常にタイトなスケジュールの中で製品化するために既に縫い上げられたトートバッグにプリントして製品化していきます。

その場合のプリント方法には大きく3つあって、一つはシルクスクリーンによるプリント、もう一つは布用のインクジェットプリンターを使ったプリント、そしてビジュアルを熱転写シートにしてプリントする方式があり、それぞれ仕上がりの質感や再現特性が異なります。

細かい絵柄や色彩の再現に向くのはインクジェット方式、線や色面を強く出すならシルク、形状が複雑だったり凹凸があってインクジェットの使用が困難な場合は転写式が向いているとのこと。

トートバッグのサイズや形状、プリントの方式によって、製品の仕上がりや印刷可能な範囲なども違ってきます。机の上にはサンプルが並べられ、絵柄と照らし合わせながら検討していきます。

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「この製品にこういう風に絵柄を入れたいんですが、可能でしょうか」とセキさんから神谷常務にしばしば質問(というよりはリクエスト)が飛びます。

福井さんからも「こんなことが出来たら面白いですよね」と意見が出されます。

審査員からのリクエストには「両面に異なる絵柄をプリントしたい」「トートバッグの天地ギリギリまでプリントしたい」「金色を表現するにはどうしたらいいか」「持ち手部分や内側にプリントすることは可能か」といったものがありました。

それを受けて、神谷常務は作品の絵柄や選ばれたトートバッグの特性を踏まえながら丁寧に説明し、実現性について検討します。技術的難易度の高いものについては、いったんROOTOTE側で持ち帰って検討することに。こうしたやり取りには、少しでも面白い魅力度の高い製品にするために、安易に無難な方法を選ぶのではなく、少々大変でもアイデアを実現する方法を探ろうとする双方の姿勢が伺えます。

開始から約2時間半ほどで、入選者全員への説明と制作指示が終了。お疲れさまでした。

新作の制作のために作家に与えられた日数は約1週間。さて、どんな作品が上がってくるのか、そしてそれがセキさんによってどのようなトートバッグにデザインされるのか。この説明会の詳細と、制作された作品、完成したトートバッグについては418日発売のNo.198に掲載します。


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