イメージ:「撮影会の女神さま」File.039志乃 蛍

「撮影会の女神さま」File.039志乃 蛍

撮影会のモデルとして活躍する「女神さま」を紹介!

File.039志乃 蛍
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--オレンジフォト撮影会に出るようになったのはいつから?

:「2年前からオレンジさんにお世話になってます」

--その前は、学生さんで。大学を卒業してるのは公表していいの?

:「表立っては言ってないです、実は。知ってるカメラマンさんもいるけど、『年齢不詳18歳』で通してるんで(笑)」

--18歳だけど、東大を卒業してるんだよね?(笑)

:「東大を出てるけど18歳なんですよ(笑)」

--年齢はさておき、東大卒はほんとなのね?

:「出ました。一応、学部主席で出ました」

--学部主席で卒業?

:「そうです、一応」

--すごいね。じゃ、卒業式で…。

:「壇上で、総長から」

--うん。

:「表彰状をもらう…。あ、表彰状じゃないです(笑)。卒業証書をもらった」

--卒業証書をもらう代表として。

:「はい、そうです」

--ますます、すごいなあ。

:「そうです(笑)」

--現役合格?

:「現役です、はい」

--すげえ。

:「いや、でも全然。学校の中だと(成績は)真ん中ちょい上ぐらいですね。トップとかじゃないですよ。それ、本当です」

--その高校、かなりレベルの高い学校なのね。

:「60人とか70人とか、現役で東大に行くところなんで」

--すげえ、そうなんだ。じゃ、周りの人たちも東大志望が多かった?

:「多かったし、実際に東大に行った子も多いし。だからまあ、別に普通と言っちゃ変ですけど。だからといって、『私、すげえ』とも別になんないし。むしろ落ちぶれたなと思いますもん、やっぱり」

--なんで?

:「周りが『東大医学部出て医者やってます』とか、『他の医学部、国立医学部、行きました』とか、『弁護士です』とか、『海外、行ってます』みたいな子ばっかりな中で、あれえ?? みたいな。一方では『結婚して、もう子どもいます』って子とかもいて。そういう子たちに比べると、まあ、何かちょっと、路線ずれてるなっていう気はしますね。だからといって卑屈になることはないけど。facebookとかで、ちょっと気にはなりますね。みんなエリートなんで…」

--友だちにそんなエリートがいたり、子どもがいたりするんだ、18なのに(笑)。

:「18でも子どもは産めます(笑)」

--東大に行きたいと思い始めたのは、高校に入ってから?

:「そうですね、塾に行き出したのが高1の冬からなんですけど。その時に、行くなら一番上がいいと。中学受験をした時も、初めは違う志望校だったんですけど、やっぱり一番上がいいって思って、途中で志望校を変えたんです。大学受験の時も、私のレベルだと無理かなと思って、違うところにしようか、最後まで悩んだんですけど。でもやっぱり一番上の方がいいよねっていうことで東大にして」

--東大に行く人って、がむしゃらに勉強してっていう人と、勉強してるんだかしてないんだかわからないけどすごく頭がいいという人といるよね?

:「そうですね。あのう、これ、まじめな話になっちゃいますけど。東大の人って、だいたい2パターンいて、地方とかで、その高校の一番っていう子が入ってくるパターンと、私たちのように中高一貫の私立校で、同じ学年に東大を受験する人がいっぱいいます、その中の1人ですって入ってくるパターンがいて。一般的なイメージでは、おそらく前者の方だと思うんですけど、その一方で周りと一緒に勉強して塾に行って、普通にやってたらギリで入れた、みたいな子もいるんですね。前者の方の人は授業もまじめに受けるし、講義は全部取るし…みたいな。でも、うちらは友だちも多いから、みんなでノート回せばいいよね、みたいな感じで。まあ、4年経つと、みんな同じになりますけどね」

--女子の東大生ということで、色眼鏡で見られることはなかった?

:「男で東大はプラスのイメージだけど、女で東大はちょっとマイナスのイメージがあると思いますね。特に、男の人から、『女のくせに』みたいな感じで。だから、今まで公表してこなかったんですけど。どうせ東大の女なんてブスなんだろうとか、どこかしらに欠陥があるんじゃないかって思われることもあるかなって思います。東大の友だちの中には、ミスコンとかには出ないけど、ほんとにかわいい子とか、性格のいい子とかいるんですけど、あんまりかわいくなくてガリ勉ですみたいなキャラの子が1人テレビに出ちゃったりすると、もう『全員そうなんだろう』って思われる、そういうのはあると思うんですね」

--高校は女子校なの?

:「女子校です。6年間女子校」

--頭の切れる女子高生だらけか。

:「そうですね。だから私、自分がすごいと思わないのは、おそらくそこにいたからなんですよ。別にもてはやされないんですよ、大して。『東大、行ったんだ』『あ、そう』みたいな」

--すごい人たちが大勢いると、すごいと感じないと。

:「そう、全然普通。別にこれ、謙遜とかじゃなくて」

--ふざけやがって(笑)。

:「だって現役で東大の医学部に行く子が、うちの代でも6人ぐらいいたんです。もうその子たちが学年トップなの。ほんとに頭のいい子たちで。それに比べたら、私なんかほんと『プッ』て感じですよ」

--『プッ』て感じか。

:「ほんと『プッ』ですね」

--大学時代は、なにかやってた?

:「運動部のマネージャーです。あと運動会総務部という運動部の」

--はあ?

:「運動部を取りまとめる生徒会みたいな組織があって。そこに各運動部から派遣されるんですね。で、運動部の予算割り当てとかをやったり、ホームページを作ったり。あと旧帝大7大学の『7大戦』っていう、7大学の運動部の大会があるんですけど、そういうのの運営とかをやってましたね」

--旧帝大というと、北大、東北大、東大…。

:「大阪、京都、名古屋、九州の7大学」

--旧帝大の大会とかあるんだ?

:「あるんですね。それで行きましたね、京大、阪大とか」

--蛍ちゃん自身は運動好きなの?

:「好きでしたね。小学校の頃に親に木のバットとグローブ買ってもらって、『みんなで野球しようぜ』とか(笑)」

--蛍ちゃんの世代で「みんなで野球しようぜ」って女子、いるの?

:「1人でした(笑)。でも、校庭で野球しましたね」

--男の子たちに交じって。

:「そうそう。あと私、めっちゃゲーム持ってたんで。それで『みんなでゲームしようぜ』っていうのもやりましたね。スーファミとか、プレステとか。そういうやんちゃなことをしてたのに、中学から女子校に行っちゃったんですよ。中高一貫の学校なんで。そこから女だらけの6年間。楽しかったですけどね、それはそれで」

--男の子に交じって遊んでて、急に女の園だと調子狂わない?

:「私、逆に共学行ってたら、多分困ってたと思う。女子校でよかったと思いますね」

--なぜ?

:「女子高だと、スカートであおいだりとか平気でするし。冬とか、スカートの下にイモくさいジャージを履いても、別に男の目がないから気にならないし。結構、ひどいですよ(笑)」

--それはよく聞く話だね。

:「男の人がいたら、ドン引きするかもしれない(笑)。それが女子校です」

--中高はなにか部活動してた?

:「書道部です。6年間、書道部で部長やってました」

--パフォーマンスみたいのやんないの、流行りの。

:「やんなかったですね」

--じゃあ、がっつり書の道?

:「まじめな書道部でしたね。入学した時は運動部に入りたかったんですけど、ま、野球部がなかった(笑)。当然ですけど(笑)。で、ソフトボール部もないと。私、天文学も好きだったので、じゃあ天文部に入ろうと思ったら、人数が少なかったんですね。それでちょっとこれはだめだなと思って。で、やったこともない書道部に、なぜかちょっと興味があったんですよ。フラッと行ったら、天文部より人数が少なかったんですけど、同級生に捕まって。そこにいた子に『ねえ、ねえ、一緒に入ろうよ』って言われて断れなくて。で、そのまま6年間、最後までやりました」

--それで部長になっちゃったの?

:「そうです。最後まで続けてたのは2人。うちの学年、途中からどんどんいろんな人が入ってきたんですけど、最初から最後までいたのは私ともう1人だけでしたね」

--中学から高校までのオリジナルメンバーが?

:「はい」

--あれ? でも、どういうことなの? 中等部の人も同じ部活にいるってこと?

:「そうです。だからわかりやすく言うと、6年制の学校と思っていただければいいかと。部活は高2までなんですけど。高2から見た中1って、子どもに見えたんだろうなって、今となっては思いますけど」

--そうだろうねえ。

:「なかには上下関係の厳しい部もあって。そういう部だと、中1から見たら、高2の先輩は神様みたいな感じでしょうね。書道部は緩かったから。お互いあまり干渉せずに」

--ただ黙々と書いてるという感じ?

:「そう、黙々と書いてて」

--でも大会とかあるんでしょ?

:「あ、賞獲りましたよ。いつも優勝校でした、うちの学校」

--団体戦っていうこと?

:「まあ、そんな感じですね。学校単位で評価されるみたいな」

--個人成績としてはどうだったの?

:「個人では何か1回トロフィーもらいましたね。何賞かわからなかったんです。全日本文化何とか書院…賞の名前が長くてわかんないんですけど、ちっちゃいトロフィーもらいました(笑)。小学校から書道を習ってる同級生とかは、おっきな方のをもらってたんですけど。私は中1から始めたんで、ちっちゃいものでした。しょぼいみたいな(笑)」

--蛍ちゃんはレイヤー(コスプレイヤー)さんだよね。そっちのきっかけは?

:「友だちと一緒にコスプレイベントに行ったっていうのがきっかけ。もともと中高6年間の時に、とってもオタクだったんですよ。少女漫画、めっちゃ読んでたし」

--ゲームやって。

:「あ、ゲームも、小学校からゲームやってたし。で、まあ、その時代にしたら珍しく、めっちゃパソコンやって、ネットやったし。今と違って、みんなはやってなかったんですけど、うち、親がパソコン好きだったんで、一緒にやって、めっちゃネットとかして。ま、オタク街道まっしぐらだったんで、その流れで大学入っても、まだオタクで。そうしたら中高の友だちがレイヤーだということが発覚して。で、『私、行ってみたいんだけど』って言って一緒に。その時は、『D.C.~ダ・カーポ~』の朝倉音夢のコスプレしたんです。親の手作りの衣装で」

--親の手作り?

:「そう、親の手作りなんですけど」

--自分では裁縫しないの?

:「縫う方は…私、血液型B型なんですけど、雑なん…ちょっと細かいところ、適当でいいやと(笑)」

--B型は全員雑みたいな(笑)。

:「親はAB型なんですけど。手芸が得意で、もうきっちりしてなきゃ許せないタイプなんですよ。だから私が作ったものを…1回自分でも衣装作ったんですけど、直されたんですよ、全部。『あんた、何それ? 何でずれてんの? 』って言われて。私は『別に着れるからいいじゃん』みたいな。撮影に問題がなければいいって思ってたんですけど、親はそういうルーズなのが嫌だったらしくて、『やり直し』って。全部、親が作り直しました(笑)」

--その後はどうした?

:「その後は、撮影会の方でいっぱい貸していただけたんで、作ることは…。やっぱり自分でやると、うまくいかないということに気づき」

--ずっと親が作ってたってわけじゃないのね。

:「親とはこういうのの件でもめてるんで」

--え、もめてるの?

:「『やめなさい』って言われたんですよ、こういうこと…コミケとか撮影会をやめろと言われて、それで家を出た。家を出て、『もう今から引っ越すから』って電話して、30分後に引っ越して。もう家出のように出てって…っていうことをしてるんで」

--それ、いつの話?

:「2年、あ、3年前か?」

--その後、親御さんとはどうなったの?

:「たまあに連絡を取る、たまあに。1カ月に1回ぐらい会ったり」

--じゃあ、断絶じゃないのね。衝突はあったけど、とりあえずは…。

:「親にとってみればやめたことになってるんですよ、モデルとか全部」

--ええっ、ホントに!?(このインタビューの扱い、どーなんのー???)。

:「そうなの。『全部やめた』って言って。でも何だろ、親からすると…」

--ネットに思いっきり載ってるじゃん!

:「そうなんですよね。でも母親、パソコンできないからいいか、みたいな」

--お父さんが見たら?

:「名前までわかりますかね?名前、変えちゃってるから。それに東大とか、出してるわけでもないし」

--でも、このインタビューで公になるよ?

:「そうなんですよね。でも、やましいものじゃないよっていうのを伝えたいんですよ、親に、この雑誌を通じて…これをきっかけに。私、この仕事(『撮影会の女神さま』への出演)が回ってくるの、実はすごく楽しみにしてたんですよ。やっとまともに親に見せられるものができるって、ほんとに思ったんです。こういう仕事が欲しくて」

--あーそうだったんだ?

:「コスプレだというだけで『エロだ』という目で見られちゃうし、親は撮影会にも偏見を持ってるですよ。変な趣味を持った人たちだ、みたいな偏見。でも少なくとも『オレンジフォト』に来るカメラマンは、パンツ撮りに来てるわけじゃないし。コスプレだって、いやらしい衣装じゃなくて、むしろ凝った衣装で、それが撮りたくて来てくれる。ポートレートって、別に全然エロくない。『フォトテクニック デジタル』だって全然エロくない。そういうことを今回の出演をきっかけにわかってほしいんですよ」

--なるほどね…このコーナーもずいぶん重い役割を背負わされてるんだなあ(笑)。

:「だから別に…」

--…しかし、このインタビューどこを書いていいんだかわかんない(笑)。

:「ここは書いてください。『オレンジフォト』の撮影会を選んだ時、主宰の佐藤さんが『撮影会っていうのは怪しい趣味じゃないんだよということを伝えたい。だから、写真展をやって、モデルさんたちが親と一緒に見に来ることができるようなものにしたい』って仰られて。それ聞いて、ああ、もう私、ここしかないなと思って。私、ここにずっといようって、ほんとに思ったし。それを書いていただくために今日は来たっていうか」

--わかった、書くよ。

:「自分としてはやましいことをしてるとは思ってないけど、端から見たらそう思われるんだろうなって。じゃあ、そうじゃないのって何? って言うと、きちんとした写真展をやるだとか、きちんとした雑誌に載せていただくってこと。ここに来るまでにほんとに長かったなと思います。私、『オレンジフォト』のモデルの中だと年齢が上の方なんですけど。でもまあ、そう見えない、見られないようにはしてきてるし。家でいろいろ努力するんですよ。書けないレベルでいろいろ努力をするんですけど」

--うわ、どっちみち書けないのか…。

:「何のために努力してるんだろうと思うこともたまにあるんですけど。でもまあ、そうやっていこう、いつか頑張ってれば多少報われることもあるのかなと思って。だって、別にエロいことじゃないんだったら、歳をとってもやれるはずだし。そのね、若い子の、若くて胸がでかいことに…あ、私、巨乳なんですけど」

--あ?

:「あ、そうだ、それ書いて! 私は巨乳なんですけど、でも、若くて、胸がでかい子じゃなければ価値がないという世界じゃないと思ってるんで。そういうところとは別の価値を出していけるようになりたいなとは思ってますね、今年は。キャピキャピだけじゃないですよっていう感じ。胸がでかいだけじゃないですよっていう感じ」

--18歳じゃなかったっけ…(笑)。

:「そう! 胸でかいんですけど!」(文字通り胸を張って“どや顔”)

--ああ、ほんとだ、でかい。

:「そう。Cカップです。唯一誇れるのは細さと巨乳。これはちょっと書いといてください。巨乳で『(どや)』って書いといてください(笑)」

巨乳(どや)

--わかりました。

:「そういう設定なんです」

--蛍ちゃんの設定がね。

:「巨乳をどや顔で言ってる設定なんですよね」

--あー。

:「で、みんなに巨乳の『巨』、違うでしょって言われるんですよ。空虚の『虚』って。みんなに突っ込まれるとこまでがテンプレなんで(笑)。なので、巨乳どやって書いといてください」

巨乳(どや)

--わかりました。

:「私、巨乳です、どや」(再度、胸を反らして“どや顔”)

--もうわかった(笑)。しかし、知的というか、頭の回転が速いというか、蛍ちゃんとしゃべると、どこか見透かされてるような感じがするね?

:「以前、ある人に、話をしてて先回りをするなって言われたんですね。その、私としては気を利かせて先回りをしてるつもりなんですけど。カメラマンさんっていうのは、そういうのを望んでない人が多いと。むしろ、ちょっとできなくて、できないんだから俺がフォローしてやるよみたいな子の方がウケがいいんだからって。だから、なるべく自分のそういう部分を出さないで来たんです。よく私を撮るに来てくれる人はたぶんもう気づいてるだろうけど(笑)」

--なるほどね。

:「でも、初めての人にはすごく気を遣いますよ、やっぱり」

--初めての人は先回りされると委縮していくとかね。

:「あ、それはありますね。でも、長年、たくさんの自分の写真を見てると何となくわかっちゃうんで、撮影の時もこうした方がいいよとか、こっちの方が私は好きとか、全部先に言っちゃうんで。よく撮らされてる感じって言われますね」

--そんなにたくさん自分の写真を見ていると、『おっ、これちょっと私としては新しい写真かも』とか、そういう発見はなかなかないでしょ?

:「いや、そんなことはないですね」

--ほんと?

:「さすがにそんなことはないですね。あと何でしょう、例えば、コスプレだと、最近はカラコンとかウィッグを付けるようになったんですけど」

--今までは付けてなかったの?

:「今まであまり付けてなかったんです。絶対に似合わないって思ってたし。私、もともとコンタクトだからカラコンはできないっていうのもあって。でも、最近、少しずつするようになったんですね。そしたら、案外できるじゃんと思って。今までこう、食わず嫌いだったんですけど、やってみると雰囲気変わるんだと思って。もうちょっと努力して、コスプレはコスプレで、もう少し幅を広げてみようかなっていうふうに思うようになって」

--じゃあコスプレもやめないんだ?

:「いや、ROMはやめるってことです。コスプレROMはやめる。まあ、ほんとは全部だめなんですけど。でも、その、胸を張れるので、こっちは」

--あ? 巨乳だから?(笑)

:「そうそうそう(笑)。でも、別にコスプレ自体はいやらしいことや、やましいことをしてるわけではないので。もちろん、普通のポートレートも…。まあ、コスプレは撮影でもそうやって新たな挑戦を少しずつですけどやってるし。それこそポートレートなんて最近カメラにも興味持ち始めて。で、自分でも撮ってみたりしたいなと。カメラはレンズ1つで変わるし」

--カメラにも興味が湧いてきた?

:「そう、買う段階。こないだtwitterで、『ミラーレスって何?』みたいな話とかを訊いて。あ、そうなんだみたいな、じゃあ…」

--買おうかと?

:「選定中、まさに、まさに選定中、買う、何買おうかな」

--やっぱりレンズ交換式がいいと。

:「そうですね。あの、自分が写る時に、背景がボケボケの写真が好きなんですよ。で、広角だと顔が歪むのわかるんで嫌なんです」

--じゃあ、何を撮りたいとかってないの? 自分撮り?

:「理想はそうですけど、できないですからね。自分2人いないんで」

--いやいや。

:「三脚ですか?」

--セルフポートレートの人、いっぱいいるよ?

:「すごい、時代はすごいですね。でも、撮るとしたら、何かそこら辺にいる猫とか撮りたいですね。家でペットが飼えたら理想なんですけど、まあ、マンションで飼えないんで。だから、そこら辺にいる猫。あと風景とか…風景って多分すごく難しいと思うんですよ」

--本格的にやろうと思ったら、かなり奥が深いね。人は撮らないの? 他のモデルさんだとか。

:「人は…多分思ったようにいかないから。自分が撮ってもらう時も思い通りにいかないことがあるし…だから…」

--自分がこう、撮ってもらう時に上手くいってないなって思う時は…。

:「そういう時は、ちょっとずらすことはあります」

--ずらす?

:「例えば、ちょっと『上げて』みたいな、『そこじゃなくて、ちょっと上げて』とか」

--何を?

:「だから、レンズごと。レンズごとグイッて上げるんです(笑)」

--えーっ、手でぐいっとレンズ上げちゃうんだ!(笑) まあ、それはせめて色っぽくやってください(笑)。

:「はい、はい。それとか、『レンズ変えて』は言います」

--レンズ変えて?

:「そう。『レンズ変えて』はよく言います。例えば、35mmで撮ってもらって、見せてもらって。『うーん、歪んでる。はい、50mmに変えて』みたいな」

--めんどくせえモデルだな(笑)。

:「レイヤーさんによっては、逆に広角の方が好きな子もいるらしいんですね。脚が長く見えたり、丸く写るからかわいいみたいな。そこは好みなんですけど、私は好みじゃないんで」

--ふーん。

:「でも、あくまで私には合わないだけなので、他のレイヤーさんとかモデルさんだったら、きっと合う人もいるだろうから。あと、私の好みが変わる可能性もあるし。昔は16-35mmとかで撮ってもらってた時期もあったんですけど、その時は別に違和感を感じなかったんですよ。でも、50mmで撮ってもらって、変わっちゃったんですね、価値観が。だから、また好みが変わる日が来るかもしれないし…」

--自分でレイヤーさん撮ったりはしないの?

:「うーん、あんまりしない。コンデジで撮ってたこともあるんですけど、自分がいいカメラで撮ってもらって、その写真をたくさん見ちゃってるから、『自分の撮る写真、しょぼいな』って思っちゃって。でも、この間のイベントでレイヤーのお友だちのカメラでその子の写真を撮ったんです。5D Mark II。そしたら、彼女がその写真をtwitterのアイコンに使ってくれたんですよ。それはすごくうれしかったですね」

--じゃあ、一眼レフ買っちゃおうか、みたいな?

:「そうそうそう。興味持ち始めて。まあ、買えないですけどね、高くて。あと重いから、持ち歩いて撮りに行くか? レンズ変えるか? っていうと…」

--フルサイズでもキヤノンのEOS 6Dとか、ニコンのD600とかなら軽いよ?

:「うん。今度、お店へ行って、直に触ってみようと思ってます。あと、カメラマンさんにちょっと貸していただいて、触らせてもらったり。まあ、少しずつやっていこうかなって。撮られる側としても、カメラのことはもうちょっと知ってた方がいいと思うんです」

--撮影会にも役立つと。

:「そうですね。今以上に詳しくなって、カメラの話とか、もっとできた方がいいと思うんです。撮影会のモデルをやる上で大事なことって、見た目とか以上に、しゃべれるかどうかだと思ってるんです。特に個撮だと1時間半くらいずっと一緒なんで。じゃあ、何をしゃべるかと言えば、絶対、カメラの話はみんなできるはずだから」

--そうか。

:「そう。アニメの話はできない人もいるし。コスプレの人だったらできるけど、そうじゃないとできないし」

--蛍ちゃん、アニメの話って言ったって90年代に偏ってるでしょ?

:「そうです、そうです。でも、カメラマンさんも同じか、ちょっと上じゃないですか、年齢層は」

--ああ、そうなの。

:「だから、それはできますよ」

--へえ。

:「今度、ワンフェス(ワンダーフェスティバル…海洋堂が主催するイベント)で『はがない』(アニメ化もされているライトノベル『僕は友達が少ない』の略)をやろうと思ってますよ、私」

--『はがない』の誰をやるの?

:「どっちやろうか悩んでるんですよ。まあ、夜空(ヒロインの一人)かなっていう」

--ああ、夜空かもね。でも、巨乳、どやっ!は星奈じゃん。

:「お友だちと一緒にやろうかなと」

--それは楽しみ。

:「で、何の話でしたっけ? あ、そうだ、カメラマンさんとの話題は、アニメと、あと車が好きな方と電車が好きな方が多いと、私は統計的に思ってて。で、私、一応、免許も頑張ってマニュアルで1年半かかって取ったし…いや、かかりすぎですけど(笑)。で、電車も、ずっと東京に住んでるから結構わかるし。興味に合う話題を提供して、話を広げてくのがモデルとしてやるべきことかなと思ってるんで。もちろん、間を持たせないとつらいというのもあるけど」

--ほんと面白いね、あなた。あいまいな所がないのね(笑)。

:「まあ、そうですね。はっきりしてますね。好きなものは好き、嫌いなものは嫌いっていうのが露骨に出ちゃうから。例えば、表面上の付き合いとか全然できないんですよ。もう無理なものは無理ってなっちゃうんで。だから、合う人は合う、合わない人は、多分私のこと合わないって思ってる人、絶対いるし。でも、合う人は合うんですよ。だから、はっきり言って欲しいっていうカメラマンさんとは合うし、やっぱり自分なりのポリシーを破られたくないっていう人とは多分衝突して終わりますね。俺には俺のがあるんだよって言って、私にも私のがあるんだよって言ってバキーン。パキパキ」

--でも、撮影会でバキーンはマズイだろう…。

:「もちろん、カメラマンさんに会ったら、年齢から、どういう仕事とか、どういう性格、それこそカメラにどうこだわる人かとか、どういう写真が好きかとかまでは把握するようにしてますよ。カメラマンさんの好みを把握した上で、それに合わせたいと思ってます。だから、こういうのが撮りたいって言ってくれた方がうれしいんですけど、ない人もいますよね、好みが。そうすると、私の好みでやるんだけど、いいって思われてるのか、悪いって思われてるのか、わからない時はほんとつらいですね。いいのか、悪いのか、できれば言って欲しい」

--とにかくはっきりせい、ってことね。で、撮影会には今後も出続けたい?

:「寿命が来るまで。ポートレートっていうスタンスであれば、いつまでもやれるはずなんですよ。新鮮さとか、ピチピチさを売りにしてるわけでなければ。だから、年齢を重ねても『撮りたいな』って思われるような魅力があれば。そうなれるように努力したいなと思いますね。それこそ体型の維持だって…まあ、太れないんですけど。でも、気を抜けば肌は荒れちゃうし、太るだろうから、いつまでもモデルを続けていくというのを前提に、なるべくいい状態をキープしていきたいと思ってるし。我慢するとこは我慢してます。それも後々のため」

--我慢するところって、例えば?

:「夏でも長袖、長ズボンに手袋してチャリ乗ってたりするんですよ。真夏に。日焼けしたくなくて。私、地黒で、他の子に比べるとすごく黒いんですよ」

--あ、そう?

:「それをちっちゃい頃から気にしてて。人より黒いならどうするかっていうと、もう努力するしかないんですよ。夏でも暑いの我慢して、少しでも焼かない。焼け痕を残さないようにする。それと、顔だって、まあ、はっきり言うとそんなにかわいくないと思うんですね。でも…」

--え?

:「そう。でも、かわいいは作れると思ってて。あの、整形っていう意味じゃなくてですよ(笑)」

--うん。

:「すごくきれいだけどブスッとしてる子と、普通だけどすごく愛嬌のある子だったら、多分長い目で見れば後者の方がかわいく見えると思うんですね。一度見ただけだったら、多分きれいな人の方がいいんでしょうし、カメラマンさんも1回撮るだけだったら、きっときれいな人の方がいいと思うけど、何回も飽きないで撮りに来るとしたら、いろんな表情ができたり、話が面白かったり、雰囲気がかわいらしかったり、そういう子だと思うんです。だから、かわいいっていうのはきっと作れると思うんですよね」

--体型維持とか日焼け対策も大事だけど、表面的なきれいさよりも心がけがより大事という話?

:「わかると思うんですよ。作り笑顔とそうじゃない笑顔って。作り笑顔が100%なら、それを超えた120%の笑顔」

--でも、120%の笑顔を見せるには、常に心が朗らかだったり、前向きだったりっていう、そういうのが必要でしょ?

:「あ、それは単純にもう『撮影楽しい』って思えば」

--そうなの?

:「そう。『写真に残るのって楽しいな』って思ってるから、出ますね」

--それは自然に出るっていうことだ。

:「出ますね。心の底で『ちょっとカメラ緊張する』って子はそういうの出しづらいと思うんですけど、私、もともと撮られることに抵抗がなかったんで。むしろ写真に残るの、うれしいっていうふうに思ったから」

--撮影会モデルの楽しさはそこなんだ?

:「自分が残るのがうれしいんですよ。生きてた証が残るって言うんですか」

--生きてた証か。

:「私、一人っ子なんで、ちっちゃい頃の自分の写真、めっちゃたくさんあるんですね。でも、ある時を境に写真が減るんですよ。学校へ行って、中学ぐらいから集合写真しかなくなってきちゃって。で、大学へ行くともっとないんですね。運動部のマネージャーって、写真の記録係でもあるんですよ。だから、練習風景とか、部員の写真ずっと撮ってたんです。で、部活動の引退の時に、部員みんなに撮りためた写真を配ったんですよ、私が企画して。でも、撮る側だったマネージャーの写真は10枚くらいしかないんですよ、4年間で。部員の子は何百枚とあるのに。『ああ、残ってない』と思って。自分も4年間ここにいたのに全然残んないなと思って、すごく虚しくなって。でも、撮影会に出ると、ほぼ毎週残るんですね。しかも複数の人に撮ってもらうと、1,000枚近くになるんですよね」

--なるほど。

:「あと撮影会のモデルをやってると、自分に対する意識も高くなるので。例えば、肌キープしなきゃとか。バリバリ仕事やってる子だと、毎日化粧するから荒れちゃったりとかして、『もうすっぴん出せない』みたいに言ってる子とかもいるんですけど、私、普段化粧しないんで、一切。だから、そんなに肌の状態とか悪くないんですよ。そういうのはやっぱり気にしててよかったなと思いますよね。そういうところで、意識を高く持っていけるっていうのは、撮影会のモデルをやってるからなんです」

+゜*†* [◎] パチリ  .。*†*。.+゜*†* ・.。*

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志乃 蛍

Kei Shino
4月24日生まれ。東京都出身。オレンジフォト所属。オレンジフォトでの撮影会の他、提携撮影会のビバ・くらぶ屋外大撮影会にも参加。撮影会以外にもコミケをはじめとする展示会のイベントコンパニオン、ライブ等、幅広く活動。
●オレンジフォト撮影会
http://www.orange-photo.com/
●公式ブログ「ごーいんぐ まい ケイ!」
http://kei-shino.net/
●公式twitter
https://twitter.com/kei_shino



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