イメージ:第187回審査 皆川 明さんの審査

2013年5月15日、ミナペルホネン デザイナー皆川明さんのザ・チョイス審査が行われました。応募総数600人、作品点数約1800点。

5月というのにちょっと汗ばむような陽気の中、皆川さんが来社。忙しい合間を縫っての審査です。この日も夕方から所用があるとのことで、少し早めのスタート。

編集部からの簡単な説明の後、すぐさま審査を開始。残す作品・残さない作品をテンポ良くジャッジしていきます。最初のうちはやや多めに残していましたが、ペースが掴めてくると徐々にハードルが上がり、同時に見るスピードもアップしていきます。

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作品点数はかなり多めだったにもかかわらず、1時間ほどで一次審査が終了しました。残った作品の量としては平均的、といったところでしょうか。「見た瞬間にこちらに“入って来る”絵と“入って来ない”絵があって、技法的にはうまいなと思った絵でも“入って来ない”ものは外しました。あと、すでに作風が完成されたプロの影響が見える人も外しました」

コーヒーを飲みながらの休憩の合間に少しお話を伺いました。ご自身でも絵を描き、展覧会などで発表している皆川さんですが、本格的に絵を描き始めたのは自身のファションブランド「ミナペルホネン」を立ち上げた時でした。「服のパターンとして絵が必要だと思い描き始めました。学校も普通科でしたし、それまでは絵は全然描いていなかったです」

自身のブランド以外でも、イギリスのファブリックメーカーから布パターン用の絵柄の発注を受けたことがあり、現在「暮しの手帖」で連載の挿絵も手がけています。「服の絵柄として描き始めたので、果たして絵としていいものかどうか自分では分かりませんが、花森安治さんがやられていた仕事を自分がやるのはうれしいことで、身が引き締まりつつも楽しくやらせてもらっています」

ミナペルホネンへの作品持ち込みは多いそうで、そうした持ち込み作品は皆川さんが目を通しているそうです。そこではどんな絵が求められているのでしょうか。「プロの方は自分のタッチやスタイルがあって、それを出そうとしますよね? 技法やスタイルが完成されていると、その人から出て来るアイデアは一つのパターンにはまってしまいがちで、長く一緒にやっていく上では、むしろ未完成な部分がある人の方が一緒に新しいものが生み出していける気がします。そういう意味では、我々が求めているのは、イラストレーターが通常求められる条件とは少し違うかもしれませんね」。いろいろなスタイルを器用に描き分ける人について聞くと、「何を描いても“その人らしさ”が出せる人ならベスト。何でも描けるといっても、誰かの真似っぽくなってしまっては、その人と作る意味がない」

二次審査は、皆川さんのご希望で机に並べられる分だけ並べて、そこから次に残す作品を選ぶ方式で行いました。机に並んだ作品を見渡しながら気になるものを手に取って確認し、ピックアップします。「今回の分はこれでいいです」と声がかかったところで選ばれなかった作品を片付け、また次の作品を並べます。これを4回ほど繰り返して、二次審査が終了。この段階で残ったのは20名ちょっと。かなり絞り込まれました。

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そして最終審査。皆川さんは付箋を手にして、入選にする作品に付箋を貼っていきます。あまり迷うことなく、次々と入選が決まって行きます。短時間で10名を選び終えると、残った作品から準入選を選びます。何人か選んだところで、しばし熟考。「一度落としたものから復活させてもいいですか?」と、二次審査でふるい落とした作品を再度見直します。そこから一人が「敗者復活」で浮上し、準入選になりました。

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「選ぶ時はあれこれ考えず、素直に“感じた”ものを選びました。テキスタイルとしてどうかではなく、絵として好きかどうか。ミナペルホネンの服が好きで、テキスタイルを意識して応募いただいた人もいると思いますが、そういう絵はいっぱい見ているので。そういったものはお構いなしに描いている人がいい。完成度が高くても、モチーフとか印象がすでにあるものとカブってくるものは除けていきました」

皆川明さんによる審査の結果は次のとおりです。入選・準入選の作品と皆川さんの講評は、7月18日発売の199号に掲載いたします。

●工藤陽之(青森県)

●松下さちこ(宮城県)

●安居喜美恵(神奈川県)

●斉藤マリ(千葉県)

●山口あき(神奈川県)

●岡田喜之(東京都)

●山口法子(東京都)

●荻原朋弥(東京都)

●若林哲博(石川県)

●近藤晃美(大阪県)

準入選▼

●ヌトグラン(北海道)●まるやまあさみ(埼玉県)●楓 真知子、津田蘭子(東京都)●マエダユウキ(京都府)●秦 直也(兵庫県)

最終選考まで残った人々▼

志水 洋、野田 元、新井眞美(以上東京都)、竹内美加(兵庫県)、にぼしちょうだい(愛知県)


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