イメージ:ホルベイン×ザ・チョイス 「クロッキーメモの表紙を描く」審査レポート

ホルベイン×ザ・チョイス 「クロッキーメモの表紙を描く」審査レポート

11月27日、画材ブランド「ホルベイン」と本誌の誌上コンペ「ザ・チョイス」のコラボレーションによる「特別チョイス」の審査が行われました。審査員はイラストレーターの宇野亞喜良さんとヒグチユウコさん。応募数は約400人。

時間よりも早めにヒグチさんが到着。審査を行う会議室にご案内していると、間もなく宇野さんも到着されました。
ヒグチさんはかねてより宇野さんをリスペクトしていて、
昨年12月にはグループ展(東武百貨店)も行うなど、いろいろ接点ができていますが、
直接会って話をするのはこの日が初めてだそう。

続いて、ホルベインのご担当3名が来社。本日の審査に立ち会います。

審査の前にしばし雑談。審査の進め方などもここで確認します。
机に置かれた応募作品の山は、通常のザ・チョイスに比べると低くてコンパクトですが、応募数は決して少なくありません。
今回は目的がクロッキーメモの表紙ビジュアルと決まっているため、作品サイズをA3までにしたので、必然的にコンパクトになったわけです。
作品サイズが小さくなると、紙やボードでの応募が中心になってパネルやキャンバスでの応募は減るため、高さも低くなります。

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審査開始。ヒグチさんと宇野さんが並ぶ前に作品を並べて、それぞれに残すか残さないかをジャッジしてもらいます。
お二人とも判断は早い方ですが、ヒグチさんが先にジャッジして宇野さんがその後で判断することが多い印象です。
お二人のいずれかが気になった作品は次に残します。

ヒグチさんはホルベインのアーティストコラボ製品を多数手がけていて、その一つが今回のテーマ「クロッキーシリーズ」です。
それもあり「ヒグチリスペクト」な作品もしばしば出て来て「さすがにヒグチさんの影響力はすごいものがありますね」と宇野さん。
「ネコはやはりいっぱいありますね。でも似たような製品になっては意味がないので…」(ヒグチさん)と、イメージが被るものは外していきます。
宇野さんの影響もあり、少女モチーフの作品も多めでした。

審査はスピーディに進んで、約1時間で全作品を見終えました。
この段階で作品は40点ほどにまで絞られています。
ここからは、作品を机に並べてさらに絞り込んでいきます。ある作品に対してお互いの見解を述べ合う形で、その作品を残すかどうか決めていきます。

意見が割れることはあまりなく、ふるい落とした作品を外しつつ、二人が「いいね!」と言った作品を入選候補としてピックアップし、端に寄せておきます。
徐々に絞り込みが進んで机の上の作品が減るにつれて、端に寄せられる作品が増えて行きます。かなり絞られたところで数えてみると10数点になっていました。あと少しです。

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ここで判断しなければならないのは、何人を入選にするか。
ホルベインのクロッキーメモは、8種類を1パックとして製造され、卸されるそうです(販売は1冊ずつ)。
極端にいえば一人で8種類作ることも可能ですが、今回は多くの人にチャンスを与えたいということで、
4名(一人2種類)ないし8名(一人1種類)の間でと考えていました。
最後の方は評価が拮抗して絞るのが難しく、また「1点だけが良い」と評価された人もいるので、
ホルベインのスタッフとも相談の結果、1点ずつにして8人を選出することで落ち着きました。

最後の絞り込みは少々難航したものの、審査開始から約3時間が経過した17時過ぎ、8人の入選者が決定しました。

審査結果は下記のとおりです。

入選

●キューライス(東京都)

●木原末沙紀(東京都)

●山下以登(東京都)

●大竹悦子(東京都)

●塙奈緒(神奈川県)

●いけがみよりゆき(京都府)

●秦直也(兵庫県)

●國本ゆうじ(山口県)

最終選考

遠藤理子(北海道)、飯塚薫、クマガイケイコ(宮城県)、坂本芙由美(茨城県)、福士悦子(埼玉県)、浅間明日美、井上文香、JASON NASO、島田悠、奈良斗無、花田栄治、早川世詩男、樋口咲耶、藤本和幸(東京都)、宮尾豊彦(千葉県)、伊藤由岐、鈴木晴子、高橋麗子、坪井隆行、富田千絵、ミヤジュンコ、安井喜美恵、矢部束紗(神奈川県)、古泉沙也加(新潟県)、池田早織(福井県)、植田真理奈(奈良県)、家原恵太(京都府)、堀川登代(兵庫県)、西村陽奈、長谷川綾(福岡県)、川口未沙紀(長崎県)、山川徹郎(熊本県)

入選作品と、宇野亞喜良さん&ヒグチユウコさんのコメントは2015年1月17日発売のイラストレーションNo.205に掲載します。

入選作品をもとに新しいクロッキーメモの製品化が進められますが、選ばれた作品がそのまま製品になるとは限りません。多少の修正やアレンジを加えたり、必要に応じて描き直しもあり得ます。製品化までのプロセスと完成した製品は、2015年4月18日発売のイラストレーションNo.206に掲載します。


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